小夜の寝覚

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とにかく、私のかわいい息子に早く会いたい……。 産後の肥立ちがあまり芳(かんば)しくなく、私はしばらくの間、離れの薄暗い部屋で床(とこ)に臥(ふ)す日々が続いていた。 初めのうちは気分の晴れないこともあったが、それも徐々に回復していたし、子供に会える日を指折り数えて心待ちにしていた。 それなのに、それなのに……。 来る日も来る日も、私はこの暗い部屋から出してもらえない。 食事を運んでくる侍女に聞いても、目を逸(そ)らしてそそくさと退室してしまう。 他には誰もやってこない、孤独な毎日。 もう体はなんともないのに……何故? 私は決して頭の鈍い女人ではない。 だって、お父さまの血を引いているもの。
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