浜松が枝を引き結び

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      磐代の 浜松が枝(え)を 引き結び 真幸(まさき)くあらば また還り見む 〈万葉集巻第二・一四一〉 口にして、私は首を横に振った。 儚い期待など、持つものではない。 後に残るのは空しさだけだ。 それでも、ほんの少しの可能性に縋(すが)ろうとする、何と浅ましき姿よ……。 ******************** 赤兄が私の屋形を襲撃した四日後、私は紀の湯へと護送され、身体と両手首を縄で絞められた罪人の姿で伯母……大王の前に突き出された。 傍(かたわ)らには葛城の姿。
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