3/6
前へ
/6ページ
次へ
放課後,帰る方向が同じの悟と直弥は,一緒に学校を出た。 『お前,あの噂話信じてるか?』 直弥が尋ねる。 「現に,他校の生徒がやられてるからな。信じるしかないだろ。お前は信じてないな。」 笑いながら話す。 『自分が見た訳じゃないから,簡単には信じられないな。』 直弥も笑いながら返す。 「俺,今日寄るとこあるから,ここで。」 『おう,じゃあ明日なー。』 そう言って悟と別れた。 刹那,後ろから嫌な視線を感じた。 『もしかしたら,殺人鬼かも。』 そう思い,俯きながら耳を塞ぐ。 傍から見ると,変な子どもと思われるかもしれない。 だけど,命が懸かっている。人目なんて気にしていられない。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加