新入生は美少女

4/5
前へ
/61ページ
次へ
「由莉亜ちゃん、可愛かったなぁ…」 桂太がそう言う。 そんな桂太を見て俺は言う。 「お前、いいのか?」 「何が?」 キョトンとした顔で聞き返してくる。 「華檻ちゃんの事」 俺の一言に桂太は顔を真っ赤にして身を引いた。 「なっ!カオちゃんとは何もないよ!」 凄く慌てている。 「何かあったんだな?華檻ちゃんと?」 俺はわざとおちょくる様に言った。 桂太はうつ向いた。 「何もないよ…何もないから辛いんだ…」 桂太のこんなにも切なそうな表情は初めて見た。 「告白しないのか?」 「しようとは思うんだけど、なかなか言い出すタイミングがなくてさ」 「きっかけがないって事か?」 「うん…」 桂太は俺の目を見て真剣に聞いた。 「どうすればいい?」 俺は困った。 何故なら俺にはあの事件がきっかけに彼氏に昇格したから。 「う~ん…」 「今度の新入生歓迎イベントで告白するしかないな…な?弟よ!」 一人の男が右肩をポンッと叩きながら話しかけてきた。 「何で、真宮がいるんだ!それにまだ、弟じゃない!?」 俺達の横から現れたコイツは真宮英一。 数学担当、今年も俺達の担任になった。 そして、俺の実姉で保健婦をしている由佳莉姉の彼氏でもある。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

183人が本棚に入れています
本棚に追加