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「どうした?愛果…」
華檻は机に伏せっている愛果に声をかけた。
愛果は顔を上げ、気落ちしている。
「私、素直になれなくて…誠、また背が伸びて格好良くなってた…」
華檻は黙って聞いていた。
「格好良くなったねって言いたかったのに…なのに、いつもの様に誠、殴っちゃった」
「それじゃぁ、いつか愛想尽かされるよ?」
落ち込んでいる愛果にそう言ったのは、真由理だった。
「解ってるよ!?でも…」
「でも、じゃなくて、素直になりなよ…じゃないといつか誰かに取られるよ?私も諦めた意味が無くなっちゃうでしょ…あんた達には幸せでいてもらわないと…」
真由理の言葉を聞いていた華檻は笑顔で愛果に言った。
「誠君は愛果を凄く好きだと思う、でも、その想いが当たり前だって思っちゃいけないと思う。素直になる事も大切だよ?誠君なら愛果の全てを受け入れてくれるよ」
「うん…」
愛果は頷いた。
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