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愛果が薔薇なら、彼女は白百合といった感じだ。
「うわぁおぉ!色白美人!大和撫子だぁ」
桂太が興奮気味に声を潜めたまま言う。
「確かに大和撫子って感じだな」
そう言った瞬間、殺気を感じた。
愛果が物凄い形相でこっちを睨んでいる。
俺は苦笑いを浮かべた。
愛果はプイッとそっぽを向いた。
後で鉄拳をくらうな…と俺は思った。
「我々、新入生は希望と夢を胸に、この学校に入学しました…」
体育館には彼女の声だけが響き渡っていた。
全生徒は彼女の声に聞き惚れていた。
「…3年間という月日を経て実りある学校生活を送りたいと思います。以上、新入生の挨拶を終わります。代表、槙由莉亜」
彼女は深々とお辞儀をすると壇上から降りた。
「これで入学式を終了致します」
入学式終了の挨拶が終わると全生徒は教室に戻った。
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