花火と缶チューハイ

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「一緒に花火見に行きたいね」 そんな言葉が頭から離れない。 1年前、その約束を守れなかった。いつも並んで歩いていた人と交わした約束だった。 背が高くて、手をつなぐと指に当たる、骨っぽいごつごつした手。おっきい背中の後ろ姿。 それが大好きで、いっつも少し斜め後ろを歩いた。 後ろをチラッて振り向く時の優しそうな目も、すごく大切だった。 ただ隣にいるだけで素直になれる、優しくなれる、そんな人だった。 ささいなことでケンカして、大好きだったごつごつした手も、おっきい背中も、楽しかった時間も、約束してた花火も、消えてしまった。 優しそうな目に映る自分をまっすぐに見れなかった。
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