花火と缶チューハイ

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ふと思い出して、急いで押し入れを開けた。 そして、飲みかけのチューハイをテーブルに置いた。 手から離れた瞬間、よそよそしく花火の色彩に染められたチューハイは、また、レモンの匂いを振りまいた。 それが何だか寂しくて、もう1度チューハイを手に取った。 チューハイと押入から出したものを持ってアパートの駐車場に降りた。 どこの家も出かけていて、駐車場はいつものごちゃごちゃした息苦しい雰囲気は無く、やけに広く、大きく感じた。 そして、カチッとライターの青い炎で火をつけた。
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