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パチパチッと線香花火が散った。
無数ともいえるほどの線香花火に一つ一つ火をつけていく。
しけって長持ちしない線香花火がぽとっと落ちていく度に、心の中で何かが抜けていく。
ただ黙って線香花火を見つめながら、さっき持ってきたチューハイを飲んだ。
遠くの花火では、最後の大型セレモニーが行われていた。華やかな花火が次々と上がっていた。
街中を鮮やかな色彩に染め、鳴り止むことなく上から下から打ち上げられる。
かすかに人々の声が聞こえる気がした。
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