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数日後
―くじ引き当日―
人だかりの中、シャリンシャリンと鐘の音が鳴る
「おめでとうございます」
「え?え?は?」
1人の少年……いや、青年が当たりを引きました
「勇者がここに決まりました」
「え?何?勇者?…勇者!?」
当たりくじを引いた青年は黒い髪…前髪は目の下まで後ろ髪は襟より下まで伸ばし少し丸みを帯びた体型に長袖長ズボンを着ている
「あなたは当たりくじを引いた…つまり勇者に選ばれたのです」
青年は数秒意識が飛んでいたが何とか思考を戻し周りの人だかりの中にいた中年の女を指差した
「テメー!クソババア!!騙しやがったな!!今日だけ商店街のクジがタダで引けるって言うからわざわざでてきてやったのによー!!」
クソババアと呼ばれた女はどこか青年に似ている
「ふっ…騙される方が悪いのよ……でもまさか当たるとはね…クックックッ……よかったわ…あなたみたいな引きこもり…私にとってはお荷物同然だったもの…本当によかったわ……しかも勇者…だってぇ…息子が勇者なんて鼻が高いじゃない…ホッホッホッ…」
「ババア!!覚えとけよ!!」
「ささっこちらへ勇者様」
青年は導かれるままへ村長家へ
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