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そう言いながらも、単車を取りに行く翔。
彩菜は、そんな翔の後ろ姿を見つめながら、思った。
(やっぱり、姉弟なんだね。どことなく、優奈の面影があるよ…翔。)
彩菜はそんな事を思いながら、その場にしゃがみ込んだ。
そこへ、ひとりの男が近付いてきた。
彩菜がその男を見上げると、見るからに水商売関係を思わせる雰囲気を、醸し出している。
男「こんにちは。ここで何してるの?」
彩菜「彼氏、待ってるんで。」
声を掛けられた彩菜は、わざと不機嫌そうな態度で、感情のない棒読みのような言葉を放った。
それでも、男の会話は続く。
男「そんな冷たく言わなくても、いいじゃん?」
彩菜「…」
男「ねぇねぇ、今って何か仕事してる?」
彩菜「してますから。」
男「ちなみに夜の仕事って、してる?」
彩菜「キャバやってます。」
男「あっ、そうなんだ?…どこのお店でやってるの?」
彩菜「…どこでもいいでしょ?…つーか、スカウトなら別の人に当たってくれない!?」
男「そんな事、言わないでさぁ…。良かったら、うちの店に来てよ。時給、今、働いてるお店より出すからさ。」
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