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わたくしも、仕事を全て済ませ、寝室へ向かう途中、あなた様の部屋からすすり泣く声が。
静かにドアを開けてみると、ベッドの上に座り込み、泣いているあなた様が。
「どうなさいました?」
「・・・・・・・め」
「は?」
「とっても、怖い夢を・・・・みたんだ・・・」
「夢・・・ですか」
「うん。あのね、君がある日、突然消えちゃう夢なんだ・・」
わたくしが消える夢・・・。
「僕がいくら追いかけても、君に追いつかなくってっ、でっ、追いついたと思ったら、君が、ふぁぁっと消えちゃって・・・・」
ひっく、ひっく、と泣くあなた様。そんなあなた様の頭にそっと手を置いて、
「大丈夫ですわ」
「ひっく、うっ、うぇっ?」
「大丈夫です。わたくしは消えたりなどいたしません。少なくとも、あなた様の目の前からは」
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