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あぁ、もどかしいこの気持ち。これが「好き」という感情なのでしょうか。
「わたくしは、あなた様のためなら、何でもいたします」
そう。たとえ命がなくなっても。あなた様のためならば。
「あなた様に拾っていただいたときから、この命はあなた様のものですわ」
だから、もう泣かないでくださいませ。
「君って・・・・優しいね」
「そんなことございません」
「だって、他の召使いたちはここまでしてくれないし、両親だってここまでしてくれたかどうか」
「わたくしでよければ、あなた様の親でも何でもなりますわ」
嘘。本当のことなんて、絶対に言えない。
「・・・ありがとう。でもいいよ」
「さようですか」
内心ほっとした。「愛してください」なんて言えるわけがないから。
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