僕と君の

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「でも、本当にいいの?失うものがあるかもよ?」 「あなた様のためなら何を失ってもかまいません」 何を失っても、ね。じゃあ僕を失うとしたら・・・? 一人は寂しいよ? 「僕はいつでも一人だ。父様も母様も、召使いも、友達もいない」 君はこっちに顔を向けてジッと僕をみる。 そして、 「わたくしがいます」 「・・・・」 君は・・・本当に優しいね。 「うん、そうだね」 僕はふっと笑う。 窓の外は曇って、すぐにでも雨が降りそうだ。 「僕の夢、早く叶うといいなぁ・・・」 「はい」 「―本当に僕の夢を叶えるの手伝ってくれるの?」 すると、君は微笑んで、 「もちろんです」 と答えた。
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