そのときは僕が

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「うっ・・・・うあああっ・・・」 嘘だ・・・信じない・・・。 信じたくない。 「うっ・・・うっ・・・・」 だんだん、君のぬくもりが消えていく。 「うわぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁあああっ!!!!!」 僕は泣き叫んだ。 冷たくなる君を抱きしめて。 「っひっく・・・うっく・・・」 君が死んだだなんて、信じられないよ。 嘘だよね? だったら、早く起き上がって 「さぁ、帰りましょう」 って、僕の手をとって言ってよ・・・。 「愛してるっていい逃げなんか・・・・ひどいよ」 早く、帰ろうよ。今日は寒いから、シチューを作ってよ。 手がかじかむから、手を繋いで温めてよ。 夜は寂しいから、そばにいて? お願いだよ。 「起きてよぉ・・・・」 わかってる。もう君にぬくもりが戻らないのは。 わかってる。もう、君が僕を抱きしめてくれないことくらい。 わかってる、わかってる、わかってる―――― 「わかってるんだよぉ・・・」 だから、悲しいんじゃないか。 だから、涙が出てくるんじゃないか・・・。  
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