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龍樹は一番上にある古びた本を手に取った。
(祖父ちゃんは蔵の中の本で勉強すればいいとか言ってたけど、昔の字が読めるわけないじゃん)
「あれ?」
そう思い、本を開いた龍樹はその本が現代語で書かれていることに拍子抜けした。
(なんだ。見掛けは汚いけど、最近の本なんだ)
「なになに……『満月の夜、龍の名を持つ少年に出会う……』……なんか俺のことを言ってるみたいだな……」
龍樹が言い終わらないうちに、本が仄かに発光し始めた。
「え……?」
光は急速に広がり、辺りを包み込み、消えていった。
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