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「失礼致します。信長様……」
ガラッと襖を開けて男が入ってくる。
「むっ!?何奴?」
男は龍樹を見るなり、腰の刀を抜いた。
「何奴って……。アンタこそ、何者だよ」
信長との不毛な会話が途切れたのは嬉しいが、見知らぬ男に刀を向けられる謂れはない。
「それは私が訊いていることだ。答えよ」
男は刃を煌めかせ、龍樹を睨んだ。
これじゃ、力で脅してくるヤクザと変わらない。
「自分から名乗らない奴に教えてやる名前なんかないね」
龍樹は力で言うことをきかせようとするヤツが一番嫌いだ。
挑発するように男を見ると、明らかに男の雰囲気が変わった。
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