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「あくまで、教える気はないか……。穏便に済ませようと思っていたが」
「はぁ!?」
(何が穏便にだよ!アンタにだけは、その台詞言われたくないね)
龍樹がため息を吐いた瞬間、頬を刀が掠める。
間一髪でそれを避けて、男と距離を取った。
(なかなか強いな)
信長ほどではないが、そこそこの使い手だ。
でも、隙はある。
龍樹は一歩踏み込んで、足を狙って蹴りを入れた。
男はジャンプして蹴りを避けるが、若干体勢が崩れた。
それを見逃さず、龍樹は刀を持っている手を蹴りあげた。
男は急な衝撃に刀を落とす。
「やべっ!!」
刀が運悪く、龍樹の方に落ちてくる。
ギリギリでそれをかわして、畳に刺さった刀を抜いた。
(……危なかったぁ)
ほっと龍樹は息を吐いた。
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