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「勝負あったな」
「……信長様」
腕を組んで成り行きを見ていた信長の台詞に、男は悔しそうに唇を噛む。
(……なんかプライドの高そうな男だな)
自分がどこの馬の骨ともわからない男に、負けたことを認めたくないのだろう。
男が自分の力に絶対的な自信を持っていたのがわかる。
(損してるよな~)
変なプライドなんて、邪魔なだけだ。
(まぁ、うちの祖父ちゃんなら、チャチなプライドごとへし折るんだろうけど……)
祖父の顔と怒声が頭に浮かび、龍樹は苦笑を浮かべた。
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