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龍樹は戦国時代に名を馳せた織田信長の子孫だ。
今となっては、なんの価値もないが、祖父は妙に血筋にこだわり、いつも誇らしげに話している。
「ふがいない。お前くらいの年頃の頃には信長様は……」
「…はいはい」
永遠に続きそうな小言を適当な返事で遮ると、祖父は「真面目に聞け」とばかりに続ける。
「18歳で家督を継いで、天下統一を目指したと言うのに。それに比べてお前は……」
「俺、まだ17だし……」
(昔は13とか14歳とかで元服だったし、今と比べるのはおかしくないか?)
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