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『さぁてと続き続きー』
かちゃ
しん
『…?』
ぐ
なんだろ この感じ…
なんか、おかしい。
きぃ…
ざ ―
無音。
…無音?
そうだよおかしい、だって…
音楽かけっばなしで
部屋 出たんだよ?
なんで…
なんで音がしないの?
きぃ きぃ…
耳が 痛い。
角部屋特有の風に押され
内開きのドアが 鳴る。
え…
逃げたい あれ?
きぃ …
ごくん
どっ どっ
喉が空気を飲み込む。
心臓がうるさい。
取り残された手が震える。
でも、そんなの関係なしに
部屋は…
なにかある 無音の部屋は
ゆっくり、ゆっくりと…
なにかアル 中身を…
かごん
―ハラリ
『っ!?』
ふわふわ
ざわざわ
『…へ』
カーテンが揺れ…外の車の音が聞こえて…
あれ、なにも、ない?
行き場のない手がすごくまぬけに見えて、なんか笑えた。
『…もーなんだったのー?』
ドアに背中ついてため息ついたら、泣きそうになってることに気付いた。
なになに、この年にして白昼夢?勘弁してよー…はぁもうだめだなぁ、なにびびってんだか。
コンボは相変わらず無言だけど、多分無意識のうちに消してたんだろう。こいつの操作はいつも大してなにも考えないでやっちゃうから。うん、きっと、そう。
…それにしても、最後の音、なんだったんだろう。本がめくられるような…ううん、きっと気のせいだ。
『うっし、やりますか!』
~♪
あ、微妙に声震えてるし。しょうがないなぁ、自分…
~♪
あれ、ひとり増えてる?ま、いっか、よくあることだし…て、ふたり?
『ふふっ』
「どうしたの?」
『ん、満席御礼、みたいな?』
「変なのー」
「のー」
「ご飯できたよー」
『あっ、はーい!…じゃ、またちょっと待っててね』
大して進んでないなぁ。ご飯のあと、がんばろっ。
きぃ
かちゃん
―ハラリ
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