ハーメルンに歌声を

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 それから一週間…当たり前だけど、特に何もなく進んで。アレはやっぱり空耳ならぬ空感覚みたいな体験ってことで、ちょっとした話題にはしたけど大きく捉えはしなかった。 ろろろろ… ろろ ん 「…ほら、起きなさい。着いたよ」 『…んぅ……』  車が前の駐車場を出てから何時間か…すっかり爆睡してた。車イコール睡眠だからなぁ…う、まだ、ぼやぁって… 「ほら、しゃんとして」 『はぁいー…』  もうちょっと寝てたかったけど…しょうがない、かぁ…。外の空気吸えば、少しは目が覚めるだろ。 がごんっ 『…これが新しい家?』 「そう。ちょっと古いけど、不自由はしないはずだから」  あーもう、寝起きだから、感動薄い…どこにでもありそうな横並びのひっくいマンションだから、特に… ぱんっ 『わっ!?』 「ほらほら起きた起きた。今日は忙しいんだから、寝た分働いてもらうよ」 げっ…  
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