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目の前のお兄さんは、明らかに怪しかった。
ヒョロっとした身体、乾燥肌なのか、かならずどこかをボリボリかいている。
メガネは少しずり落ちていて、頭良さそうな顔が間抜けに見える。
服装は良く言えば好青年、悪く言えばダサイ。
青空公園夜の七時、ミズキはすでに止まった噴水の前で、鞄を抱きしめて立ち止まっていた。
目の前には、お兄さん。
公園をいつも通り横切っていたら、いきなり現れて、行く手を阻んでいる。
明らかに、道を聞く感じではない。
怪しい、怪しい。
痴漢経験多数のミズキは、このお兄さんは怪しい、と判断した。
この目に狂いはない。
鞄を胸に強く押しつける。
Gカップの胸が、苦しい、助けて、と叫んでいた。
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