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友人が登校するなり、いきなり僕の目の前に現れて、開口一番にこういった。
「不幸の手紙の犯人を見つけてくれ」
僕は、その言葉を聞いて笑いがこみあげて来るのを耐えた。
くっくっく。馬鹿なくせにやたらと女性にモテるから、天罰が下ったんじゃ…ザマミロ。
有坂 雷
僕の友人であり、『有坂ハーレム』の主。
雷は、顔立ちは僕と同じくらいだが甘ったるい笑顔がやたらと女の子にウケが良く、こいつのハーレムの住人なった女の子は数多い。
「だから?」
「お前ん家の親、推理小説家じゃん?」
「だから?」
すかさず、同じ返事。
「ぱっぱっと、推理してぐぁ!?」
ガコン!
僕は、雷の頭を机に叩きつける。
「マンガの読みすぎだバカ野郎。推理小説家の息子だからといって、名推理浮かぶかギャルゲー野郎。つか、見つけてどーすんの?」
なんと、安易な考えだった。僕をどこぞのメガネ少年と同等と雷は思っているらしい。
「そいつととことん話し合う、そうすれば互いにわかり会える。」
雷は僕の目を真っ直ぐに見て言う。
いつも、こいつの口からでる戯れ言は何時も熱意がこもっている、綺麗事のくせに嘘に感じさせない。心の底からの本音を恥らいも無く言える。
だから、こいつの周りには人が集まる。
「………わかった、手伝うよ。で?今、その手紙は?
雷は、一瞬驚いた顔を見せると直ぐに笑顔になる。「友人、お前…「そこは、名前で呼べ」
ちょ、せっかくの良いシーンを…つか、いい加減に名前で呼べ。
「あぁ、悪い。で…手紙なんだが、実は今も持っている。」
そう言うなり、雷はカバンを開けて逆さまにする。
ざばぁぁぁぁ。
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