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店員にお酒と適当な食べ物を頼むと、暫くして頼んだ物が運ばれてきた。
『千里とちゃんと顔見て話すのは本当に久し振りだよね。会いたかった』
“会いたかった”
この一言すら私の心を騒がせた。
『うん、そうやね。でも毎日メールしてるから…』
『メールと会うのは違うでしょ?』
樹里は私の言葉を遮るように言った。
メールをしていて分かった事。
樹里は慣れてくると結構強引なとこがあったり積極的で、どこか子供っぽいとこもあれば大人びたとこがある。
『今日の仕事はどうだった?ナンパされたりしなかった?』
この質問は1度“絡まれて困った”とメールしてから毎日してくる。
心配してくれる事が嬉しかった。
私の事を考えてくれている事が堪らなく嬉しかった。
『うん、大丈夫。心配してくれて有難う』
私がそう言って微笑むと樹里も柔らかい微笑みを返してくれた。
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