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暫く呑んだり食べたりしながら楽しい2人の時間を過ごした。
実はお酒を呑むのは久し振り。
つい楽しくて呑むペースも早かった。
『でね、直美ったらいっつも楓ちゃんの話ばっかりなんだよ』
ちょっと酔い気味に私は直美の話をした。
『楓も!もう、いっつも直美さんの話ばっかりで』
“羨ましいね”そう言いながらお互い笑った。
そこまでは良かった。
『ねぇ?』
『ん?』
『千里は私の事どう思ってる?』
『え?どうって…?』
『あー、いいや、うん、何でもない』
明らかに様子のおかしい樹里。
でも、完全に酔っていた私はそれにも気付かなかった。
『ねぇ~何?気になるやん』
『気にしなくていいから』
『…樹里のバカ』
私は拗ねたように言い、お酒を一気呑みして見せた。
『ちょっ、千里、そんなハイペースで呑んだらあかんって』
樹里はバカみたいに酔っ払っている私に優しかった。
『千里、もう帰ろう?送ってくから』
『やだ』
『やだってアナタ…もうダメだって』
樹里は私の体を支えるように立ち上がらせてくれた。
そしてそのまま出口へ…。
会計を済ませて外に出ると外気が涼しくて気持ち良かった。
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