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夜になり、ついに殺さなくてはならない時がやってきた
彼女に真実を打ち明ければ僕は恐らく嫌われるだろう
でももういい
どうせ殺すのだから
僕は彼女を井戸のある場所へと連れて行った
「こんな所に連れて来てどうしたの?」
優しく微笑む彼女を見るとどうしても勇気が出なかった
でも、王女の命令は絶対
震えながらも僕はナイフを取り出し彼女へと向けた
でも、足がすくみ動けない
不意に彼女が微笑みを浮かべたまま近付いてくる
ナイフを持っている手を優しく包む彼女
そして笑顔でこう言った
「ありがとう」
僕が呆然としていると彼女は自ら腹部を刺した
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