出会いはいつも突然に……

5/6
前へ
/28ページ
次へ
練習が終わって… 私は、先輩に言われた通りに一人残った。「少し用事があるから」と何処かにいってしまった先輩。イジメだろうか?………まぁ、いいや。とりあえず、そこらに散らばったボールや、掛けっぱなしのネットを片付ける 「……明日香さん?」 ふと、誰かに声をかけられた。振り向くと、入口に雉峰さんが立っていた 「あぁ、雉峰さん。どうしたの?」 「いや、寮に行きたいんだけど、迷ってしまってね」 苦笑いを浮かべながら、雉峰さんが入ってくる 「悪いんだけど、寮まで連れていってくれないかな?私一人だと、また迷いそうだから」 えっ?いや、案内したいのはヤマヤマだけど…… 「ごめんなさい。ちょっと先輩を待たなくちゃいけないの」 「………そうか、それじゃしょうがないね」 一瞬だけ何故か寂しそうに笑みを浮かべた後、すぐに普通の笑みを浮かべて 「じゃあ、事務室で聞いてくるよ。また迷うかもしれないから、その時はまた来てもいいかい?」 「うん、いいよ」 「ありがとう。………そうだ、暗くならない内に帰った方が良いよ。じゃあ、また明日」 「うん、また明日」 そういって出ていく雉峰さんに、私は手を振った。なんだか、悪い事しちゃったなぁ………
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

217人が本棚に入れています
本棚に追加