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ちょっとした罪悪感に捕われながら片付けをしていると、また誰かが体育館の扉を開けた
「お待たせ、天美宮さん」
先輩だ
「いえ、用事はもういいんですか?」
「ええ。天美宮さん、一年生の子に、連絡ついた?」
言われてハッとなる。その子には悪いけど、すっかり忘れていた……
「す、すいません。今から連絡します」
慌てて携帯を取りだし、その子の番号にかける
呼び出し音がなる
携帯の着信音がなる
「え?」
体育館から……着信音?しかも、体育倉庫のようだ
私は急いで体育倉庫に近付くと、ガラリと、重たい鉄扉を開けた
………手足を縛られ、口を塞がれた後輩が、倒れていた
「先輩!あの子が…………」
慌てて先輩に駆け寄る。すると、先輩はとても冷酷な、見ているとおかしくなりそうな笑みを浮かべていた
「そう、見付かったのね。クスクス………」
「先輩?」
いつもの先輩では無い……私は危機感を感じて後ずさろうと
ガシィッ!
私の手を先輩が掴んだ!万力のような力で締め付けてくる!!
「せ、先輩!?」
「逃がさないわ……天美宮明日香」
私の名を呼ぶ先輩の目は、紅くて、吸い込まれそうな、危険な感じがした……
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