変わらぬ朝日と変わらぬ日常

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いつも通りの時間に着いて、いつも通りの席に座る。いつも通りの賑やかさに、少し安心感を感じる。 でも、今日は少し違った。 「皆さん、静かに」 先生が入ってきた途端、教室が静かになる。お決まりな感じだから、別になんともない。 「今日は転校生を紹介します。入って」 「失礼します」 その子が入ってきた瞬間、誰もが息を呑んだ。 腰まで伸びた、艶艶とした黒髪。意思の強そうな、引き締まった目元。スラリとしていて、かつ出る所は出ている、まるでモデルのような体型……一言で表すなら、綺麗…ただそれだけ。でも何か、綺麗なだけじゃない、なんとも言えない、艶っぽいというか、艶かしい感じ…… 彼女は、その白くて透き通るような肌の手で、白いチョークを持って黒板に名前を書いた 「雉峰イヅナです。よろしく……」 変わった名前だなぁ。そう思いながら、雉峰さんを見ていると、目があったらしく、微笑んでくれた。 な、なんか恥ずかしい… 私は何故か恥ずかしくなって、頭を下げた 「席は……天美宮さんの左隣が空いているから、そこに座って」 「はい」 頷いた雉峰さんは、私の左隣の席まで歩いてくると、私に向かって微笑んだ 「雉峰イヅナだ。よろしく、ええと…」 「あ、天美宮明日香です!よ、よろしく!」 「明日香さんだね。よろしく」
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