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彼女の口許が微笑みの形をつくる。それはマクドナルドの店員がやるのと全く同じタイプのスマイルだった。
「えっ!?」
喋る事を思い出した僕は、やっと口を開いた。
「だから、誰か死んで欲しい人がいるなら、一人限定で殺せるよ、って」
相変わらずのスマイルが貼り付いたままの彼女は、その表情に似つかわしくない単語を次々と僕の世界に送り込んでくる。
声も、話し方も、仕草も、どこにでもいる女の子だ。しかし彼女の瞳と言葉が普通でないものを感じさせる。
「それって……つまり?」
僕の言葉に、彼女の表情が変わる。口角をさらに上げたその顔の現す感情は、間違いなく「喜」だ。
「食い付いたね?じゃあ、第一段階は終了!今からあなたには義務が発生します!」
少女は嬉々として僕に伝える。人差し指を立てて僕の目の前に突き出してきた。
「一つ目!」
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