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「ちょっ、ちょっと待って!!」
僕が彼女の言葉を制止しようとすると、彼女は僕の目の前にあった人差し指を口許に持ってきた。
「まず、聞いて。質問はそのあと。」
じっ、と見つめる彼女の瞳が持つ雰囲気に呑まれて、僕はなにも言えなくなってしまった。
「一つ目。ここで聞いたことは決して他言しない。二つ目。『何故殺すのか』は聞かない。
現段階ではルールはこれだけ。シンプルでしょ?」
にこっ、と聞こえてきそうなほど見事に、彼女は微笑んだ。
「なにか質問は?」
それまで曲げていた腰を伸ばして姿勢を正し、髪を光と踊らせながら彼女は言った。
「もし……ルールを破ると?」
口いっぱいに溜まった生唾を飲み込んで、なんとなく答を予想できる質問をした。
「死ぬ」
ああ、やっぱり。
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