ヒトリメ

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こう言うのもなんだけど、僕は神様の失敗作だ。背は小さい、頭は悪い、運動音痴で、良いところなんて、なにもない。もちろん自信なんてモノはなくて、人前ではいつもビクビクおどおどしている。 そんな僕が世の中の強くて悪い奴等に目をつけられるのは当然のことで……。僕には運もないらしく、そんな境遇から救ってくれるヒーローも現れてくれなかった。 小、中はもちろん、わざわざ遠くの高校に入ったにも関わらず、入学式当日から不良に目をつけられ、彼らからの暴力や精神的な嫌がらせはそれから2年間、尽きることなく続いている。 ただそれでも、そいつらを殺したい、なんて、夢にも思わなかった。彼女が僕に提案するまでは……。
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