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「別に答えは今じゃなくてもイイの」
彼女はそう言った時、緊張と恐怖と好奇心で複雑な表情になっていた自分に気が付いた。
「ただ、あなたはその気、でしょ?『殺すか殺さないか』じゃなくて『誰を殺すか』を考えてる」
頭に浮かんでいたことを言い当てられ、僕の筋肉がギュッと硬くなる。そう、僕は、『殺すなら誰か』を思案していた。
「それは、二つ目の扉が開いた証。じゃあ、追加ルールね。さっき教えたルールは覚えてる?」
まるで黒板の前に立つ教師のような態度で、彼女は聞いてきた。
「えっと……決して他言しない、と、何故殺すかを聞かない」
そんな彼女にじれったさを感じつつも、僕は答えた。
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