東京

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華やかな街が 僕を独りにする 『ただいま』 返事を待てど そこにある虚しい空間に 涙をこらえテレビをつける 熱いと叫ぶヤカンの声が 僕の話し相手 ため息と共に 注ぐお湯で作ったカップ麺 ぼやけている三日月を 眺めて待つ3分間は この世界で1番長い3分間 たくさんの人とすれ違い 一人ぐらい僕を 愛してくれるんじゃないかって 思ってみたものの そんな思いが僕を独りにする 『おかえり』は まだ僕が言うらしい 星の無い夜空に僕を見つけて この世で1番さみしい この世界を 僕は慣れることは無いだろうと しょっぱいスープを飲み干した
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