猫から見た人間

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ゴチャゴチャとした街中を、一人歩いている。   「あっ、黒猫だ~!かっわい~!」   人間の女の集団が、そう言って寄って来やがった。 ったくウゼエな…。今日これで何回目だ。これだから街中は嫌いなんだよ。   「本当だ!よしよ~し。」   頭を撫でられている。 気安く触んじゃねえよ。頭撫でられて、猫がみんな喜ぶと思ってんのか? そう思いながら、俺はこれ以上絡まれるのが嫌で、その場を小走りで去ろうとした。   「あ~待ってよ~。パンあげるからさ~。」   テメエ達から貰いたかねえ。 俺は、小声で呟いて、さっさと人ゴミを出た。
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