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「なんだ、伊波は一条に興味あるのか?」
まるで勝ち誇ったような表情を莉佳に向ける。
憎たらしい顔で。
莉佳は充てられたように顔を赤くした。
莉佳からすると、それは怒りと同等だったのだろうが。
「べ、別にっ」
ムカつく!先生には関係ないじゃない。
「あの、先生。莉佳さんをからかうのは…」
壱が数学教師と莉佳の間に立ち、困った顔で両手を出し制止する。
「そうだ早瀬、お前は伊波が好きな奴、気になったりしないのか?どうなんだ?」
壱の動きが止まる。
「ぶっ!あっははは」
途端に数学教師はお腹を抱えて豪快に笑い出す。
え?と莉佳は、壱の顔を後ろから覗き込む。
壱の顔は、まるでゆでだこの様に真っ赤だった。
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