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[人ほど不確かで曖昧で、愚かな存在は在りはしないだろう。それは、本能のままに生きていると言い切れないからだ。]
私の好きな作家の一人に、こんな言葉を遺した人がいる。私とは違う時代を生き、私とは違う人生を生きた人。けれど、私もそう思う。
先生が学校を留守にしている間に、学校では前夜祭の準備が始まろうとしていた。
この学校では12月、クリスマスを兼ねて行われるのが通例となっている。
あまりにも変わった学校だけど、私は楽しみだった。
「…莉佳ぁ。まぢでやんの?ねえ、まぢで?本気コレやるわけ?!」
「だって、くじで当たったんだから仕方ないじゃない。透子は嫌なの?うさぎさん。かわいいのに」
「ぃ、言うなあ!!ぅ、うううさぎなんかっ、うさぎなんかー!!」
委員会に所属する生徒は、クラスの出し物の参加が強制ではない為、私は委員での出し物に参加することにした。
透子は委員会には入っていない為、クラスの出し物に出る事になっているが、偶然にも、くじで私が着る衣装と被ってしまったのだ。
「お揃いになったね」
「ぅう。一生の恥じゃあ…」
嘆く透子を尻目に、私はうさぎの衣装を着て朗読をする自分を想像する。
……う…うさぎさんか。
透子とは違った拒否感と嬉しさが複雑なものになって、少しだけ胸に込み上げた。
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