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ふと空を見上げると、満天の星が目にはいる。
「うわあ…先生っ、星キレイですよ!」
「ん?」
私の声に、一度視線を私に向けると同じように空を見上げた。
って、そういえば前夜祭終わったのかな?
終了時刻は確か23時だったような……。
「…!!」
薄暗い中、腕時計を確認しようと袖をまくると、いきなり凄い力で手首を掴まれた。
「時計なんか、見るな。」
不機嫌にも見えた迷いのない瞳が私を見据えて、力強い腕に強引に引き寄せられる。
抵抗なんて…出来なかった。
「……莉佳………」
消え入りそうなほど小さく発せられたその声は、抱きしめる腕とは違って、とても優しいものだった。
「せんせ…」
抱きしめられた先生の服から香る、嗅ぎ慣れない煙草の匂いが……少しだけ、考えることを忘れさせていた。
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