授業と図書館とドS教師

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☆ 図書委員になれて嬉しい限りだけれど…… ただひとつ、気に食わない。 あのドS教師が監督だって事が。 そうそう、私はドS教師、と毛嫌いしているが、周りはそうではないらしい。 逆に羨ましがられている理由が私には良く分からなかった。取り敢えず分からないまま、その考えは右に置いてある。 私が図書館についた頃、ドS教師はとっくに来ていたようで、白いテーブルに腰を下ろし本を読んでいた。 スーツ、チョークで汚れてる。 「……ああ、やっと来たんだな。仕事は沢山あるんだから、ボーっとしてないでやれ」 ……命令形ですか。そうですか。 「分かってますよ!っていうか、いつもいつも机に座って読むの止めて下さいよっ」 「いーんだよ。私は教師だからな」 ……何、その理屈。頭大丈夫? と、まあいつもの事と思い、無視をして新刊を並べていく。 「そういえばお前、崎浜と仲良いな」 その言葉に振り向いてみると、その数学教師は本に目を落としたままだった。 深意はないと悟ると小さくため息を吐く。 「そう見えますか?だったら、そうなんじゃないですか?」 視線を戻して作業に戻ると、数学教師は『あっそ』とだけ残して本を持ったまま図書館から出ていった。 .
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