人は顔で覚えるタイプ

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抵抗しない桜を、 黙って見つめる泪… 「悪いんだけどさぁ、 フォンタ買ってきてくんねぇ? もちろんテメェのおごりでな」 「お前の魔法あれば速く買ってこれんだろ?」 ケラケラ笑う二人 「んじゃ、よろしく」 そういってその場を立ち去る 「………恥ずかしいところ見せちゃいましたね。」 「………」 黙って話しを聞く泪 「さっきから怒鳴ってばっかりですいません。 貴方に言ってどうにかなるとかじゃないですけど、実は僕… 学校でイジメられているんです。」 うつむきながら話す桜 「この学校の生徒は知っての通り、落ちこぼれ達が集まっている学校です。 大抵の人は魔法をほとんど使えないし… 中には魔力さえない人もいる。」 「……」 「ここでは力と魔力が強い人が当然上に立つんです。 まだ一つしか魔法が使えない… そんな自分が嫌いで…」 涙をこらえながら話し 「…ホントにそれでいいのか?」 「…え」 桜を背にまた歩き始める泪 「どんなにバカにされようと どんなに傷つけられようと、 どんなに醜くなろうと… 自身持って自分の魔法だけは信じなくちゃならねぇ。 それが最初に覚えた魔法なら尚更だ… バカにされるのは心が弱い証拠。 もっと心を強くして、あいつら見返してやれ」 「…ハイ!」 涙を拭い、そのままどこかへ走っていく 「…ったく、世話のかかるチビだ」 呟きながら歩く泪… 「……あ、 アイツ案内役だった。」
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