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子猫達が産まれ、幾日かが経った。
子猫達は今では目もハッキリ開き元気に部屋中を走り回る。
母猫はそれをソファーの上から眺め、自分の隣に居る末の子猫の毛づくろいをしている。
子猫は母猫の尻尾にじゃれつき時々ソファーから落ちそうになっている。
「あらあら、子猫ちゃん達は元気一杯ね」
猫達の家族である人間の女性、奥さんが家事を終えたのかエプシロンを脱ぎなら向かいに置いてある一人用のソファーへ腰を下ろした。
「そろそろ子猫ちゃん達にも名前を付けなくてはいけないわね?」
奥さんは母猫にそう言い微笑みかけると、母猫は返事をするようにニャーと一鳴きする。
末の子猫はソファーから下り、リビングと玄関への廊下を仕切る扉へと向かいカリカリと音を立て扉を引っ掻いた。
「あら、どうしたのかしら?」
奥さんが扉へ向かうと、調度玄関の開く音がし、元気の良い男の子の声がした。
「ただいま~!!」
「あらあら、おかえり~」
奥さんは息子の元へと向かうため扉を開けると子猫も一緒に息子の元へと向かって行った。
奥さんは子猫がなぜ息子が帰って来る事がわかったのか疑問に思ったが野性の勘が働いたのだろうと余り気にしなかった。
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