曇りガラス

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いつも通りの日に 君の言葉が欲しくて携帯電話を何度も鳴らした 電話の向こうにいる君の声はいつもと変わらなかった 楽しい時間を過ごすはずだった 電話を切った僕は、携帯電話を手の平からすべらせた 鈍い音が床に響く 別れを告げられるとは、思いもしなかった 色鮮やかだった世界が、つまらない一色の灰に染まっていく 外に出ても、その景色は変わらなかった …どこへ行っても灰色の世界 立ち止まった僕は 振り返った このツマラナイ世界に色を付けてくれる人は現れるのだろうか・・・
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