蛾

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何故みんな避けるの?     何故みんな僕を邪険にするの?   何故虐める?   なんで……      なんで……         其所に居るだけで…     ここに居るだけなのに       そんなに『僕』が きらい?     そこまで醜い?   何もしてないのに…、     生きて… 空を夢見て…   只それだけなのに           ひどいね……           神様… 神様が居るのなら早く僕の願いを叶えて、   あの空を眺めるだけじゃなく   羽ばたいて 華麗に翔ばさせて下さい…   翔ぶ為の体を下さい     ゙あれ゙のように……、                  《願いが聞き届いたのがソレ゙が羽化を初める迄 ゙ソレ゙は、危害を加えられる事は無かった…  そして…羽化が始まった》                         やっと翔べる、 蔑まされ無くて済む……       《ゆっくり羽を広げる》         違う…こんなの違う……         《羽を広げだ彼゙は、否定した》         こんなの…こんな醜い羽なんか…      《彼の羽は、茶色く、黒く   薄汚い色をしていた》       何故又、 邪険な扱いしか去れないいんだ   翔べるのに…自由なのに……     《それは、゙彼゙が『毒蛾』だから、翔べば毒が舞い、止まれば醜い 羽を晒し、忌み嫌われる》         神様…ひどい…   僕が何をした?   何か罪を犯した?   只生きて、 翔びたかっただけなのに…   綺麗に舞う事を夢見て… 何が悪いの?       《答えは、単純  ゛彼゛は、゙蛾゛であって (蝶)では、無いから     罪が有る筈が無い》         神様の… 意地悪……                             《いつしか、彼の羽には  悲しみと憤りで、 大きな眼と   涙の文様が、     刻まれていた……》
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