心のある場所

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「っひゃー……。そういうのサラッと言えちゃうなんて、男前ー」 隣のデスクの先輩が椅子を転がしてやってくる。 「ねー彼女いるの? 顔もいいし、どうせいるんでしょー。お姉さんに話しなさいー」 「あ、あたしもそれ知りたーい」 楽しそうに聞いてくる先輩たちは、自分が立候補したいというよりは、興味関心だけで尋ねてる感じだ。 僕は思わず苦笑する。 「いますよ。とびっきり可愛い子」 僕がキッパリと言うと、先輩たちはキャーッと色めき立った。 「言うわねー!永本くんベタぼれじゃん」 「彼氏にそんな風に自慢されたーいっ」 キャッキャとはしゃぐ先輩たちの背後に、スラリとした影が立つ。 「こーらっ」 「あっ、社長……っ」 ペシッペシッと直さんは彼女らを書類で軽く叩く。 「仕事しろ仕事ー」 「はぁい……」 しゅんとした彼女らは、大人しく自分のデスクに戻った。
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