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カラオケ店へ向かう道中も
後部座席のコウと美空は
テンション高く
盛り上がっていた。
その間も有馬は、
何も話さず外の景色を
じっと見ていた。
そんなに好きな奴だったのか?
窓の外を見つめる
有馬の目からは、
大粒の涙が流れていて
車のライトに照らされ
キラリと光って見えた。
俺は後部座席の煩さに
小さくため息を吐いた。
それにハッとしたのか、
有馬は頬に伝う涙を
服の袖で拭いていた。
俺は、この何でもない
有馬仕草にドキッと
鼓動が震えるのを感じた。
ははっ。あり得ねぇ…
有馬は男だぞ?
最近一人だから、
人恋しい………かな。
そんなことを思い、
悩んでいる間に車は
カラオケ店に着いていた。
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