-第一幕-

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************** 「すいませーん!どなたかいらっしゃいませんかあ?」 「…やっぱ誰もいねーじゃんかコノヤロー…。」 「………」 「あ…何コレ?」 智沙は机の上にあった紙をとる。 そこには綺麗な字でこう書かれていた。 【貴方へ 全く、貴方という人はどれだけ私を待たせれば気がすむんですか。 私は勘忍袋の尾がきれました。 先に行っています。きっとこれを読むころ私は上から貴方を見ているでしょう。 私の所へ行きたいなんて思わないでね。 貴方は自分のやりたい事をやっているのだから、それを貫き通してください。 最後に、ごめんなんて死んでも言わないで。】 …ポタっ 汚くなった畳みには清い涙が零れ落ちた。 「ばあさんも死んでたのか…。それも結構前だな。」 「う…そんなっ…!」 「しょうがねーだろ…。人はいつか死ぬ。今頃二人で仲良くやってるさ…。」 「……うん。」 「なら、する事は一つだろ…?」 智沙は笑顔になってうなずき二人は窓から乗り出して、紙飛行機にした手紙を空へと飛ばした。 紙飛行機は永遠と空を飛び続けていた。 それはまっすぐ力強く。 「…じい、ありがとう…。幸せにね……!」 そして二人は屋敷を後にした。  
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