お仕えする者たち

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「ここを登るのよ。」 「ここを登る…」 「そう!その上があたしの部屋!」 私はここを登るのかぁ…と少し嫌な感じで呟くつもりだったのだが、遮られてしまった。 「ほら、さっさと登るっ!!」 「あの…大丈夫なんですか?」 「いいのよ、別に。トールにさえ見つからなかったら全然問題ないもの。」 と楽しそうにケラケラ笑った。 私は落ちないか大丈夫か聞きたかったのだが… そしてトールって誰だ? はぁ…こう笑ってるのを見るとすっごいかわいい女の子なのに… 「今なんか言ったかしら?」 「…いいえ…なにも…」 なんつー地獄耳… そして今頃だが一つ疑問が… 「あのもしかしてアセリア様って最近にこのシャンドル城に来たっていうお姫様ですか??」 「は!?今頃なにいってんの、ミア!!あたしが姫以外の何にみえるの!?」 いや、雰囲気は姫以外の何者にも思えないが… 「姫にしてはあまり着飾ってないというか…質素というか…」 「うるさいわねぇ…下町行くのにきらびやかな格好してったら目立つじゃないの!!」 「でもエストさんはすごくきらびやかでしたけど…」 「言っても聞かなかったのよ…それにエストさんなんて言わなくてエストでいいわよ。」 「え…でも…」 「いーのいーの。とにかく早く登ってちょうだい。」 「は…はい…」 かなりの不安にかられながらも話を切られてしまっては仕方ないので、とりあえず登ることにした。
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