姫、逃亡

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『………?入りますよ?』 いぶかしげなトールの声が聞こえたあと、扉が開かれる。 ガチャ…ギィィィィ… 「アセリア様いるじゃないですか。いるなら返事くらいしてください。」 トール!!アセリア様出てっちゃった!! と声を出したつもりなのに、実際には… 「ごめんごめん!ちょっと考え事しててさ~。」 という言葉になっていた。 なんで!? 口が勝手に動く!? 「考え事…ですか…邪魔をしてしまいましたね。失礼しました。」 私が魔法で変えられてるとも知らず、トールは私に頭を下げる。 ちょっと!声出てよ!! 「ううん。全然いいよ。なんか用だった?」 「いえ…いつもより着替えに時間がかかっていたのでなにかあったのかと思っただけです。」
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