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トール、気付いて!!
私はミリアクアよ!!
と言っているはずなのに、やはり口では
「心配してくれたの…!?わぁ…あたしうれしい!!」
と言っている。
どころか、勝手に体が動き、トールに抱きついていった。
「おぁっ!!ちょっ…アセリア様!!どうかしたんですか!?今日はだいぶとおかしいです!!ちょっと…離れてください!!!」
トールが結構強い力で私を押し返すが、なぜか離れない私。
普段だったら間違いなくぶっ飛ぶくらいの力で押されているのだが…
「フフッ…とぉーるぅ…♪」
私の考えとは裏腹に今度はトールを頬擦りし始める。
「うぁぁ……お、おやめください!!いつものアセリア様では…」
そこへ…
コンコン…
『フォイルです~。どうかなさいましたかぁ??入りますよ~』
「!?」
ガチャ…ギィィィィ…
「フォイル!!!今入ってはいけません!!!」
トールの叫びもむなしく、フォイルが入ってきてしまった。
「え…?」
トールと目が合う。
そのトールを抱き締めて頬擦りしている私を見る。
………しばし沈黙………
バタッ…
「ふ、フォイル!!?しっかりしてください!!!というかアセリア様をはがしてください!!!!」
倒れたフォイルに対して叫ぶトール。
それを無視して止まらない私の体。
「ンフフ…トール♪フフッ…」
「くっ…かくなる上は…すいません!アセリア様!!」
トールは手を私の胸にあてた。
「ぃやんっ♪」
そして叫んだ。
「拡衝拳(かくしょうけん)!!」
瞬間、私は吹っ飛んで壁に激突した。
そこで私の記憶はとぎれた…
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